偉人の名言集 知性にも理論にもほもを説得する力はない Grandes citations

カテゴリ: 俳人

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住宅顕信(すみたくけんしん)、


白血病により25歳で死去した俳人です。

彼をモデルにした、ずぶぬれて犬ころという映画があります。

住宅顕信役を、木口健太さんが演じておられます。



若さとはこんなに淋しい春なのか


月が冷たい音落とした

影もそまつな食事をしている

捨てられた人形が見せたからくり

レントゲンに淋しい胸のうちのぞかれた

洗面器の中のゆがんだ顔をすくいあげる

夜が淋しくて誰かが笑いはじめた

降り始めた雨が夜の心音






ワルツ合戦というのは、音楽好きにとっては有名ですね。

幼なじみであったヨーゼフ・ランナーとヨハン・シュトラウス一世の論争。

これ、意図的にプロレスをしたと思っているんですけど、

どうなんですかね?


ポケットからキャラメルと木の葉を出した

トルストイの書いた羊皮の外套を思ふべし

柴漬や水に押されて在処

正月の日記どうしても五行で足るのであつて

離れ家離れ岩あり飛ぶ千鳥

蕎麦白き道すがらなり観音寺

公園の月や夜烏かすれ鳴く

家が建つた農園のコスモスはもう見えない

罠なくて狐死にをる野分かな

愕然として昼寝さめたる一人かな

膝と膝に月がさしたる涼しさよ

明き星傾く空や時鳥

海明りして菜の花に行く夜かな

赤い椿白い椿と落ちにけり

君を待たしたよ桜ちる中をあるく

法皇の御幸になりし桜かな

雨音のかむさりにけり虫の宿

狐火の減る火ばかりとなりにけり

赤く見え青くも見ゆる枯木かな

柄を立てゝ吹飛んでくる団扇かな

藪の空ゆく許りなり宿の月

ものゝ芽のほぐれほぐるゝ朝寝かな

チチポポと鼓打たうよ花月夜

春月の病めるが如く黄なるかな

西行忌我に出家の心なし

散らばりし筆紙の中の桜餅

恋猫やからくれなゐの紐をひき

京言葉大阪言葉濃白酒

いま一つ椿落ちなば立去ん

菜の花の月夜の風のなつかしき

菜の花が汽車の天井に映りけり

紫苑の芽暗く甘草の芽明るし

花深く煤の沈める牡丹かな

向日葵に剣の如きレールかな

藪の空ゆくばかりなり宿の月

海中に都ありとぞ鯖火燃ゆ

島人の墓並びをり十三夜

やり過ごす紅葉の茶屋の一時雨

水仙や古鏡のごとく花をかゝぐ

雲霧の何時も遊べる紅葉かな

橙に天照る日ある避寒かな

コスモスの夕やさしくものがたり

今日となり明日となりゆく石蕗の花

ゆるやかに落葉降る日を愛でにけり

とつぷりと後ろ暮れゐし焚火かな

夢に舞ふ能美しや冬籠

朝々の独り焚火や冬たのし

日を追うて歩む月あり冬の空

雪だるま星のおしやべりぺちやくちやと

日もすがら落葉を焚きて自愛かな




芋の露連山影を正しうす

月いよいよ大空わたる焼野かな

ひとつづつながれてゐざるおちつばき

聖杯にただよへる血と白牡丹

やはらかに月光のさす白薔薇

紫陽花に八月の山たかからず

生き疲れてただ寝る犬や夏の月

白扇に山水くらしほととぎす

たましひのしづかにうつる菊見かな

誰彼もあらず一天自尊の秋

月のゆめを見しおもひ出や落葉焚く

ありあけの月をこぼるる千鳥かな

短日の時計の午後のふり子かな

極月や雪山星をいただきて

極月の法師をつつむ緋夜着かな

くれなゐのこころの闇の冬日かな

冬空や大樹くれんとする静寂

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日野草城、エッチな俳句で知られる俳人です。

発表した当時は、当時の俳壇から、非難があったのです。

今では、全く話題にならないのね。


薔薇匂ふはじめての夜のしらみつつ

けふよりの妻と泊るや宵の春

春の宵なほをとめなる妻と居り

湯あがりの素顔したしく春の昼

枕邊の春の灯は妻が消しぬ

うららかな朝の焼麺麭はづかしく

春の灯や女は持たぬのどぼとけ

春暁やひとこそ知らね樹々の雨

明るみて月夜となりぬ春の海

生きてゐることのよろしき春の雪

ぽんかんのあまあまと春立ちにけり

ゆく春やうつらうつらと昼餉のあと

ところてん煙の如く沈み居り

月さすや金魚居らざる金魚鉢

山茶花やいくさに敗れたる国の

あをあをと夕空澄みて残暑かな

満月の照りまさりつつ花の上

高きよりひらひら月の落葉かな

寂しさに葡萄を握る月夜かな

十六夜の月が出にけり照らさるる

湯豆腐に松竹梅を惜まざる

寒の闇煩悩とろりとろりと燃ゆ

われ咳す故に我あり夜半の雪

冬の月寂寞として高きかな

猫去つて猫の子二つ残りけり

大晦日ねむたくなればねむりけり

除夜の鐘もうすぐに鳴るとき寝落つ

かへりみて長かりき長からざりき

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